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老年性難聴と耳鳴り ろうねんせいなんちょうとみみなり

齢をとるにつれて聞こえは悪くなります。
それに伴い耳鳴りが出現するかたもおられます。

病態

耳鳴りは脳の電気信号活動の増強が
一原因と考えられています。

誰もが50歳代くらいから難聴がはじまります。
音色が高い音(きーん、しーん)から徐々に聞こえにくくなってきます。
すると脳は聞こえなくなってきた音を聞こうとして、脳の聞こえに関する電気信号の活動を強くします。この電気信号活動の増強が耳鳴りです。
脳に耳からの音が入ってこないから、脳が電気信号の活動性をあげてしまう。その電気信号の高ぶりを私達は耳鳴りと感じます。脳の細胞のなかで起こる電気信号が強くなっただけですから、脳梗塞や脳出血などの恐ろしい病気とは全く関係ありません。

高齢者の2〜3割の方に耳鳴りがあり、1割の方が苦痛に感じていると言われます。
怖い病気ではありませんが、本人にとってはつらいものです。

図 /

耳鳴りに注意をむけないようにすることが治療の要点です。

(耳鳴りを消すのではなく、意識しないようにしていく)

対策

病態のところで聞こえない音を聞こうとして耳鳴りが強くなると書きました。逆手にとって、他の音をたくさん聞くことによって耳鳴りは弱く小さくなります。

環境音があるほうが耳鳴りはしません、だから静かなところを避けましょう。ストレスも耳鳴りの一因なのでストレスをためないようにしましょう。友達と会うことや気晴らしをすること、外に出かけることは大切です。耳鳴りは怖い病気でないことを理解することも必要です。

耳鼻科を受診して説明を受けましょう。

治療

薬 剤

耳鳴りに効果がある飲み薬もあります。60%の方に効果があります。逆に40%の方には全く効きません。

補聴器

補聴器を装着することによって、耳鳴りが軽減することはよくあります。

音響療法

たとえば日常生活の場でラジオを流す、好きな音楽を流す、環境音を流すなどでもずいぶん違ってきます。
環境音楽などのCDはたくさんあります。
寝るときも耳鳴りは聞こえる程度の小さな音(音楽や環境音)をながすことで耳鳴りが気にならなくなる場合もあります。

TRT

TRT:(Tinnitus Retraining Therapy)

カウンセリングと音響療法を行うものです。 カウンセリングは耳鳴りについて理解すること、治療法を理解することです。その上で音をだす器具(見た目は補聴器に似ています)や補聴器を耳に装着して音をたくさん聞きます。音をたくさん聞くことで耳鳴りに意識を集中しなくなり、耳鳴りが小さくなります。

ナース /

注1.当院では補聴器専門外来を行っています。
注2.TRTは当院では行っていません。耳鳴治療の専門病院をご紹介いたします。