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嗅覚障害 きゅうかくしょうがい

病態

かぜのときに「におい」がしないことはよく経験します。ところがかぜは良くなったのに、ふと気づいたらにおいがしないという場合があります。感冒後嗅覚障害と言います(感冒=かぜ)。かぜを引いたことを覚えていないこともあります。

嗅上皮粘膜や嗅神経(におい)の障害と考えられています。
他には慢性鼻副鼻腔炎(ちくのう症)やアレルギー性鼻炎による嗅覚障害があります。感冒後、慢性鼻副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎による嗅覚障害ですべての嗅覚障害の7〜8割を占めます。
亜鉛不足が嗅覚障害に関係することも報告されています。

治療

ステロイド点鼻薬を中心に内服薬を加えます。
3(〜6)ケ月行います。なかなか改善しないこともありますが、長期の漢方薬投与が有効とされていますのであきらめずに根気よく治療することが大切です。

ステロイド
点鼻薬
抗炎症作用、抗浮腫作用、細胞機能修復作用などが
あります。
当帰芍薬散
(漢方薬)
嗅神経の修復・再生作用。
A T P 製 剤 嗅神経の修復再生作用。

ナース /

改善率:一般的には全体の70%くらいの人は改善すると言われています。

点鼻

ステロイド点鼻薬は鼻の嗅裂と言われるにおいに関係するところだけに高濃度のステロイド薬を作用させます。ステロイド全身投与(飲み薬)より副作用はずっと少ないです。

点鼻薬は正しく使ってください。片鼻に1回2〜3滴づつ滴下し、そのままの姿勢を約5分間保持する。1日2回行ってください
(1週間で1本くらいのペースです)。朝夕(寝る前でも可)です。

のどに流れてきた液は飲み込んではいけません。
のどに流れてきたら吐きだして、うがいをしましょう。

※点鼻のしかた

横向きに寝転がり、床に頭をつけて少し天井を見上げた姿勢をとります。
そして天井側の鼻の穴にのみ滴下します。
右肩が下のとき左の穴、左肩が下のとき右の穴。
左右2〜3滴ずつ5分。

においの神経や粘膜は鼻の上の方の嗅裂と呼ばれる部位にしかありません。この嗅裂に点鼻薬が向かうことが大切です。